ごあいさつ

「製本」といわれる職業の根源は奈良時代の仏教伝来とともに始まります。江戸時代までは「経師」(きょうじ)と呼ばれ、木版印刷と本の装幀を生業として、古文書などにみられるよう、情報・文化・知識を広く大衆に発信する重要な責務を負ってきました。

明治時代以降は活版印刷、オフセット印刷の普及により、子供たちの初等教育から高等教育における教科書、画像を通しての世界情勢、芸能、文化の情報提供等、現代社会にはなくてはならない産業として印刷業界と共に製本業界も発展してまいりました。

弊社は大正14年の創業以来、常に地場産業である繊維・建材などの企業の情報発信のお役に立ち、また地元印刷業界の良きパートナーとして歩んでまいりました。ここ数年来はデジタルコンテンツの急速な発展により、紙媒体をよりどころにする製本業界は、厳しい経済環境下に置かれておりますが、古来より引き継がれた技術や思いは次の時代、子孫に情報、文化を財産として残すためにも永遠に存在していくものと信じております。

私たちは、既成概念にとらわれず、つねに紙媒体の新しい加工技術を追求し、また先人から受け継がれた技術を尊重しながら製本業の未来を見つめます。